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今年、WechatとTC社が共同で「2017 TC Disrupt」を開催し、テンセント社の戦略的投資を受け入れたObEN、Mobike、DFSグループとCarnivalグループが招かれ、Wechatとの提携に関する交流や情報の共有が行われた。

ユーザー数9億人以上のWechatは様々な領域において、プラットホームの価値を発揮しているという。例えば、アメリカの企業にディープテクノロジーを応用する環境や、ユーザーにアプローチするパイプを提供する。アメリカのグローバル旅行会社と小売業界が中国の消費者に、よりよいサービスを提供するために支援を行う。Wechat Pay 決済とWechat mini Appsを通じて、より多くの企業がWechatのソーシャル・ネットワークへの参入を呼びかけるなどして…。
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アメリカのAI技術がWechatを通じてユーザーにアプローチ

今年1月のCESで、TMT(Tech/Media/Telecomメディア)が、先端技術を保有する中国が創業したアメリカのAI企業であるObEN社の関係者をインタビューした。その後、テンセント社がObEN社へ投資するというニュースが報道された。報道によると、ObEN社がAI技術を実用化するために、テンセント社は様々なところで応用可能な環境を構築した。

一つ目はWechatユーザーの個性化AI(PAI、Personal Artificial Intelligence)の応用について「2017 TC Disrupt」の別会場では、インド系のObEN社のCEOであるNikhil Jain氏のPAIがビッグスクリーンで「ニーハオ」と挨拶し、ダンスや歌も披露し、大きな反響を呼んだ。
披露した歌は事前に録音したものではなく、AI技術によって自動的に組み合わせたものであった。詩と日本語の歌に変えることも可能である。
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「こんにちは、私はAdamのPAI、生粋の北京人です・・・Adamがいない時も彼に代わって、物語を話したり、歌ったりできます。しかも歌は彼よりうまいんですよ」ObEN社のCOOであるAdam Zheng 鄭毅氏のPAIが中国語で挨拶して、顔を顰めて見せた。

ObEN社の戦略は、全Wechatユーザーが個人AI(PAI)を所有できるというものだ。鄭毅氏は「PAIを持っているユーザーが独自の個性的な絵文字を作ったり、PAIを飾りつけたり、あるいは仮想現実の社会活動を行うなどができます」と説明した。
Wechatのプラットホームを通じて、ObEN社の公式アカウントはユーザーに直接PAIを提供することができる。ユーザーがObEN社の公式アカウントをフォローし、自分の写真をObEN社のアカウントに送るだけで、短時間で個人AIのPAIを取得できる。このサービスは年内にも始まる見通しである。
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PAIは自分の「クローゼット」を所有し、ユーザーがヘアスタイル、服装、肌色などを自由に変えられる。ObEN社と提携している全てのアプリはこのPAIを使用できる。これは、将来的にPAIがWechatで使用されるだけでなく、すべての仮想世界で使えるようになると予想される。

「PAIはユーザーの模擬音声を生成できる非常にリアルなパーソナルアバタ―です。PAIは時間と空間の制約がなく、世界の至る所に送られ、ユーザー本人のかわりに、体験したり、働いたり、多くのアクティビティーに参加できます」と鄭毅氏が紹介した。アイドルのPAIが本人に代わって、ファンと交流し、コマーシャルの宣伝、製作活動に参加するなど、現実世界の様々な分野にビジネス化される可能性があると言われている。

しかし、PAIの実用化はAIの著作権侵害になるかが問題視されている。この問題を解決するために、ObEN社はProject PAIを支援することを発表した。Project PAIはProject PAI Foundationによって開発されたオープンソースのブロックチェーン協議会である。将来、全ユーザーが作ったPAIと鍛え上げたPAIはこの協議に基づき、ブロックチェーンのグラウンド上のデータを拡げていく特徴を活かし、ユーザーが自分のデータと結びつけた独自の、ブロックチェーンに認証されたPAIを保有することによって盗用を防ぐことができる。

次はWechatの電子書籍とのコンボ。Wechatの電子書籍にObEN社の模擬音声機能が搭載されると、ユーザーがアイドル、友達、自分の音声を自由に選択して読み上げてもらうことができる。TMTの報道によると、ObEN社の電子模擬音声技術はUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)音声研究所とCaltech(カリフォルニア工科大学)によって開発された。ユーザーが少し文章を読み上げると、この技術でユーザー独自の「声紋」を取得し、多言語および異なるアクセントの模擬音声を生み出せるという。

「Wechatはフラットホームとして、ユーザーへのフィードバック、製品の設計、プレスリリースにおいて、非常に優れています。私たちに多くの援助を与えてくれました」Nikhil Jain氏がTMTの取材でこう述べた。ObEN社のような技術系の企業にとっては、AI技術が実用化される時、有効でかつユーザー数の大きいプラットホームが非常に重要である。WechatとWechat電子書籍のほか、ObEN社がテンセント社傘下のAIプラットホーム、ミニロボットなどを通じて様々なテストを行った。

QRコードを通じて中国ユーザーを獲得

アメリカの電子決済ベンチャー企業Citcon社の創業者およびCEOであるChuck Huang黄春波氏は「今、アメリカの旅行業界全体で“China-Ready”というプロジェクトに取り組んでいます」とTMTの取材で語った。

アメリカ合衆国商務省のデータによると、2016年に訪米した中国人観光客数が13年連続の増加となり、旅行総消費額もイギリスなどを抜いて第1位となった。その消費総額は、外国人消費総額の61%を占め、11億ドルに達した。“China-Ready”とは、巨大な購買力をもつ中国人観光客を狙い、準備を備えるということだ。

そのため、Wechatは二つの役割を果たす。

1 クロスボーダー決済の問題を解決するには、中国人が親しみ慣れているWechat Payを北米に広げること

2 海外企業がニッチマーケティング戦略をたてるために、巨大なユーザー数を有するプラットホームを提供すること

昨年末、WechatがCitcon社と提携し、北米でWechat Pay決済を始めた。Citcon社は決済連動マーケティングのプラットホームであり、Wechatがアメリカで唯一のオンラインとオフラインの両方で決済サービスを提供できるパートナーである。

黄春波氏の紹介によると、今、Wechat Payは北米の1000社以上の企業と提携しており、旅行業界が大半を占め、その他ホテル、小売業、観光スポットなども含まれている。
消費者にとっては、QRコードスキャンのみで決済されるため、アメリカでの決済と国内での決済は異なる点がないようだ。
しかし、完全にアメリカの金融システムに適用させるため、アメリカでのWechat Payは以下のような取引を行っている。消費者が人民元でWechatの端末で支払い、提携銀行が海外企業の提示する外貨価格によって決済手続きを行うという仕組みである。

Wechat Payのクロスボーダー決済の公式サイトによると、消費者が入金すると、Wechat Payは24時間以内に決済銀行が提示した外貨為替を、リアルタイムに為替レートで購入する。決済金額が5000ドルに達したら、企業の預金口座に自動振込を行う。
黄春波氏は「この取引のプロセスに関わる中間業者は少ないので、クロスボーダー決済の手数料もクレジットカードより安いし、クレジットカードの不正利用のリスクも減らせます。」と説明した。

北米でのWechat Payのパートナーたちがメリットをもたらしたことにより、一層Wechat Payの推進は加速した。

「Caesarsグループがパイロット・テストを行い、来年正式にWechat Payを導入する予定であったが、他社の影響を受け、日程を早めたようです」と黄春波氏は語った。

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ラスベガスに本社を置いているCaesars グループは正式にWechat Payと提携することを8月に発表した。「今、Caesarsグループ傘下の飲食店、小売店、観光スポットなどを含む51社の店舗でWechat Pay決済を利用できます」CaesarsグループのグローバルマーケティングマネージャーColaire Yang氏はTMTに紹介した。

一定期間の間、消費者はCaesarsグループ傘下の店舗でWechat Payを利用すると、最初の2回はリベードが与えられる。その金額は最大888人民元に達する。

今月、ラグジュアリートラベルリテーラーのDFSグループはサンフランシスコ国際空港内に設置された、傘下の40社余りの店舗にWechat Payを導入し、北米での普及推進に取り組んだ。

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DFSアジア太平洋地域のCEO Mike Osorio氏はDFSとWechatとの連携は購買力旺盛な中国観光客を誘致するためだったと直言した。

今後、DFSグループはWechatと以下の四つの面で提携を強化する予定だ。
Wechatのミニアプリを通じて、より良い電子商取引を提供する(DFS社はWechatのミニアプリの利用を提供できる最初の海外企業である)。より多くのDFSグループ傘下の企業にWechat Pay決済を導入させる。Wechatで顧客を管理する。Wechat モーメンツ機能と公式アカウントを活用し広告配信を行う。
「お客様が空港に到着する前に、Wechatのミニアプリで商品を予約することにより、店舗で商品を選ぶ時間を節約でき、店舗のスタッフたちもお客様のニーズと好みを把握することによってより良いサービスを提供できる」とMike氏が分析した。

黄春波氏は「それ以外に、中国の顧客にとってはQRコードとミニアプリを導入すること自体が、店側が中国の事を熟知し、中国の顧客を歓迎しているという友好のメーセッジを発しているということです」と語った。

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